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無痛 [本]

無痛

無痛

  • 作者: 久坂部 羊
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 単行本


勧められて読んだ本だった。
かなり前に勧められていたのになかなか手をつけられずにいたが
今日一気に読み上げてしまった。
冒頭で教師の一家が惨殺された後のリビングの様子を描写している。
しかし不気味なのはそれで終わらなかった。
ジグソーパズルのピース一ずつが辛い出来事なのに、
たくさんのピースたちの全体が浮かび上がってより陰鬱な姿を現すことになっていく。
実際の世の中もこんなに邪悪なパワーを持った人間がウロウロしているのだろうか。
抑圧されて捻じ曲げられた思いがさらに別の邪悪なパワーを寄せ付けるように
繋がっていく。
この本の恐ろしさはリアルな部分にある。
フィクションの世界のものなのに妙に実在するかのような人物像ばかりなのだ。
イバラと呼ばれる青年がもっとも作られたキャラクターのように感じるのだが
痛みを感じない病気は実際にあるということを知っていたので
やはりリアルな感じは残った。
また、この本ではたくさんの問題提起があった。
主に刑法の第39条についてのことが多かったが
今の日本の現状の暗い部分についてたくさん代弁しているような気がした。
終末の迎え方や医療の限界などの話もあったし
母子の関係、いじめのこと、劣等感・・・。
題名の『無痛』は肉体的痛みと精神的痛みの両方を言っているように思えた。
それぞれの登場人物が己の痛みにどう向き合うかで結果が変わったように思えた。
答えらしきものはなく次の展開を示唆する締め方だった。
しばらくはモヤモヤとした思いに囚われて日常を送ることになりそうだ。


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