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『秘密』 [本]

秘密

秘密

映画になっていたのを知っていた。
それでもそのときはあまり深く考えず、肉体と魂が事故か何かで入れ替わってしまった母と子が
残された夫(=父)と心の交流をしていく話くらいにしか思っていなかった。
今、読んでからあまり時間が経っていないためか、「喪失感」と「支え」という言葉が浮かんでくる。
事故で妻を亡くした。葬儀を終えて入院している娘を訪ねると「あなた」と呼びかけられた・・・。
表情やしぐさ共通の思い出を語るうちに娘の体に妻の魂が宿っていることを確信するのだが・・・。
きっかけが事故で設定が特異なのだけど、これは親子の物語のようだけど、夫婦の物語なんだと思った。
娘の体に宿った妻は娘が悔いのない人生が送れるようにと精一杯の努力をする。
難しい学校を受験し合格する。ところが夫は青春真っ盛りの生活を送る妻を見守ることしかできずに、
電話の盗聴や娘の部屋を探るなど、娘である妻の生活だけでなく思う存分生きる妻そのものにやきもちを焼いて衝突してしまう。
自分には父親の役割も夫の役割も男の役割もできないでいると言って嘆く姿が印象的だった。
その一方で事故の加害者であるバスの運転手の人生と二つの家族を見守ることもしている。
普通ではありえない状況で人を救うのはその人の「守りたいもの」なのではないかと思っている。
家族でもあるし、家族を思う自分自身かもしれない。
そういうものを支えに生きているのが人間なのかもしれない。
事故から15年。娘の結婚式。主人公は二度目の別れをする。
事故での別れは肉体的に唐突に起きて、今度の別れは精神的に時間をかけて行われていった。
東野圭吾氏の視線なのか、手紙で犯罪者の家族に目が向けられていたけど、
この作品でも事故の当事者は被害者だけではなくて加害者にも向けられていて
それがただ糾弾するだけでなく、温かく感じた。ものごとを多面的に見ることを教えられた気がする。


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