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『償い』 [本]


償い (幻冬舎文庫)

償い (幻冬舎文庫)

  • 作者: 矢口 敦子
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 文庫


事件に遭遇することで過去の自分と向き合い始める主人公。
主人公は現在と過去を行き来することで、真実にたどり着いたのではないだろうかと思った。
ホームレスとして生きる男が遭遇する事件の合間で過去の瞬間を取り戻す時間が増えてくる。
医者として家族もあったころ、さらに医学を志していたころ。救えなかった命、救えた命の間で揺れ動くこころ。
その折々は一生懸命に成し遂げたことでもあとから間違いだったのではないかと振り返るのはとても怖いことではないのだろうか。
それが人の命にかかわることなら尚更だ。
この本にはたくさんの弱い人々が登場する。
私だったらどうするだろうと当てはめてしまいそうな普通の人々ばかりだ。
でも普通なら殺人にいたらないがここでは人が死んでしまう。
それで余計にに突き詰めた結論をだしたくなるのだけれど、
私は、ストーリーの後半に登場した主人公の昔の彼女の言葉に救われた思いがした。
『そんなふうに自分を痛めつける考えは全部、捨てなさい。罪ほろぼしにならないわよ。もっと前むきな生き方の中で償ったらいい。』
すごくドライな響きもあるけれど、人生の大部分はこうやって進めるものかもしれないと思う。
大地に根を生やすような生き方。主人公の対極のようなキャラクターの彼女に言わせることの効果かもしれない。


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