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『「自分」から自由になる沈黙入門』 [本]


「自分」から自由になる沈黙入門

「自分」から自由になる沈黙入門



最近、仕事場で人の批判を聞くことが増えたためか、どうにも滅入っていた。
自分でも批判めいたことを口にしていると思う。
そんな自分が嫌になっていたところに見つけた本。
「自分」を語ることをやめると、いいことがあるという。
ゆっくり話すのもいいらしい。
陰口や自慢話を遠ざける術も紹介されていて、
これは使えそうだと思った。
「自分濃度」を薄める。
お坊さんが書いた本だけど宗教色はそんなに濃くない。
自分から自由になって得るものって大きそうだ。


『ララピポ』 [本]


ララピポ (幻冬舎文庫 お 13-2)

ララピポ (幻冬舎文庫 お 13-2)



タイトルの説明は最後の最後に出てくる。
「a lot of people」白人が話した言葉が早くて「ララピポ」と聞こえた。
底辺というのか・・・思い描いたように生きられない人たちを描いた話で
生きる証が卑屈に思える性行動だったりするので、
読みながら吐き気を感じつつも次第に切なさの果てにイライラを感じる。
構造が短編の積み重ねになっていて主人公と脇役が入れ替わって
それぞれがリンクしていく。
現実の世界でも沢山の人間が劣等感や焦燥感や諦観だなんだかんだを背負って・・・。
映画化されるらしいけど、大きなスクリーンで見たら余計悲しくはならないのだろうか。

『償い』 [本]


償い (幻冬舎文庫)

償い (幻冬舎文庫)



事件に遭遇することで過去の自分と向き合い始める主人公。
主人公は現在と過去を行き来することで、真実にたどり着いたのではないだろうかと思った。
ホームレスとして生きる男が遭遇する事件の合間で過去の瞬間を取り戻す時間が増えてくる。
医者として家族もあったころ、さらに医学を志していたころ。救えなかった命、救えた命の間で揺れ動くこころ。
その折々は一生懸命に成し遂げたことでもあとから間違いだったのではないかと振り返るのはとても怖いことではないのだろうか。
それが人の命にかかわることなら尚更だ。
この本にはたくさんの弱い人々が登場する。
私だったらどうするだろうと当てはめてしまいそうな普通の人々ばかりだ。
でも普通なら殺人にいたらないがここでは人が死んでしまう。
それで余計にに突き詰めた結論をだしたくなるのだけれど、
私は、ストーリーの後半に登場した主人公の昔の彼女の言葉に救われた思いがした。
『そんなふうに自分を痛めつける考えは全部、捨てなさい。罪ほろぼしにならないわよ。もっと前むきな生き方の中で償ったらいい。』
すごくドライな響きもあるけれど、人生の大部分はこうやって進めるものかもしれないと思う。
大地に根を生やすような生き方。主人公の対極のようなキャラクターの彼女に言わせることの効果かもしれない。


『古道具 中野商店』 [本]


古道具中野商店 (新潮文庫 か 35-7)

古道具中野商店 (新潮文庫 か 35-7)



タイトルに惹かれて買ってみた。
ふむふむ。『センセイの鞄』の空気感がある・・・。
中野商店の商店主の中野さん、その姉のマサヨさん、アルバイトの同僚タケオとわたし。
彼らの日常を中心に多少人間関係が広がっていくけれども、
この商店を中心に進展しそうでしないタケオとわたしや中野さんと彼女、マサヨさんと彼の恋愛が少しずつ描かれていくだけで
全体としてはドキドキしないのである。
でも、なんだかいい雰囲気でなんとなく読み進めてしまうのである。
親子でもないし、同世代でもない、世代間の友情かな・・・?アドバイスもあるんだけど、お仕着せがましくない感じ。
なんでも結論付けたがる昨今だけど、こういうのもいいかもしれない、だから舞台が「古道具」屋さんなんだろうか・・・。

『秘密』 [本]

秘密

秘密

映画になっていたのを知っていた。
それでもそのときはあまり深く考えず、肉体と魂が事故か何かで入れ替わってしまった母と子が
残された夫(=父)と心の交流をしていく話くらいにしか思っていなかった。
今、読んでからあまり時間が経っていないためか、「喪失感」と「支え」という言葉が浮かんでくる。
事故で妻を亡くした。葬儀を終えて入院している娘を訪ねると「あなた」と呼びかけられた・・・。
表情やしぐさ共通の思い出を語るうちに娘の体に妻の魂が宿っていることを確信するのだが・・・。
きっかけが事故で設定が特異なのだけど、これは親子の物語のようだけど、夫婦の物語なんだと思った。
娘の体に宿った妻は娘が悔いのない人生が送れるようにと精一杯の努力をする。
難しい学校を受験し合格する。ところが夫は青春真っ盛りの生活を送る妻を見守ることしかできずに、
電話の盗聴や娘の部屋を探るなど、娘である妻の生活だけでなく思う存分生きる妻そのものにやきもちを焼いて衝突してしまう。
自分には父親の役割も夫の役割も男の役割もできないでいると言って嘆く姿が印象的だった。
その一方で事故の加害者であるバスの運転手の人生と二つの家族を見守ることもしている。
普通ではありえない状況で人を救うのはその人の「守りたいもの」なのではないかと思っている。
家族でもあるし、家族を思う自分自身かもしれない。
そういうものを支えに生きているのが人間なのかもしれない。
事故から15年。娘の結婚式。主人公は二度目の別れをする。
事故での別れは肉体的に唐突に起きて、今度の別れは精神的に時間をかけて行われていった。
東野圭吾氏の視線なのか、手紙で犯罪者の家族に目が向けられていたけど、
この作品でも事故の当事者は被害者だけではなくて加害者にも向けられていて
それがただ糾弾するだけでなく、温かく感じた。ものごとを多面的に見ることを教えられた気がする。


『チーム・バチスタの栄光』 上・下 [本]

映画化の宣伝をテレビのワイドショーで見た。『医龍』というドラマが映画になるのかと思っていたが、
別の作品だったようだ。手術室での殺人??そんなことがあったら怖いなぁ。
そんな疑いを手術室のメンバー以外の人間が指摘できるのかなぁ。
映画化のキャストはエラク豪華だなぁ。阿部寛・竹内結子はどんな役柄なんだろう。
なんて聞きかじり程度で読み始めた。
最初上巻くらいは時間はゆっくり流れていった。
俺が普段行っている不定愁訴外来での診察さながらに、
当事者たちの表面的な利害関係や冷静なときの性格がわかる。
聞き取り調査、一例目の手術の立会いと成功、二例目の手術での術死を経て、
何かがおかしいと気づき、病院長に報告した時点から全体像が変化してくる。
下巻からテンポアップして事件明らかになっていた。
厚生省の技官がとっても濃いキャラだった。経歴も並みの役人ではない。
役人でありながら医者でもあり、常に鋭利な刃物のように真相にまっすぐ入っていく。
読み終えた直後は事件そのものに驚かされた感想をもったが、
その後時間が経つと病院や医者などの環境についてや人間を支えている誇りのようなものを思った。
映画みてみたいなぁ。
チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599) (宝島社文庫 599)

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599) (宝島社文庫 599)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2007/11/10
  • メディア: 文庫

おまけのこ [本]

おまけのこ (新潮文庫 は 37-4)

おまけのこ (新潮文庫 は 37-4)

昨年末に本屋さんで気になった文庫を数冊買っておいた内の一冊。 時代劇というほどじゃないけどお正月らしい気分にもなる。シリーズ第4作目。 妖しのまつわる不思議な事件をみごとに解決することよりも、 一太郎の温かみを感じられてほっとできることがより魅力的になっている。 自分が弱いとなかなか他の弱い人の立場などに思いやることができなくなるけど、 そういうことを自然にできることが一太郎の芯の強さか。いつも同じような顛末なのに飽きない。

『青空の卵』『仔羊の巣』 [本]

青空の卵

青空の卵


仔羊の巣

仔羊の巣

  • 作者: 坂木 司
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2006/06/17
  • メディア: 文庫


「ひきこもり探偵」と名前がついてる。安楽椅子探偵みたいだけど、それともちょっと違う。
本格的な推理小説でもない様子。
物語は坂木司という人のいい20代後半の青年と引きこもりがちな彼の同級生の青年との関係を軸にしている。
そこへ日常的な謎(生活の中の波乱とでもいうべき程度の)を解き明かすという鮮やかさと
それをきっかけに生まれた人間模様が爽やかで切なくて心温まる。


ぼっけえ、きょうてえ [本]

友人お勧めの本。
話題にもなっていたし、作者の岩井志麻子自身をテレビで見たときに、
その個性に驚いていたので読んでみたいと思っていた。
短編小説が皆「ぼっけえ、きょうてえ」かった。
私などは声をなくしてしまう怖さだと思った。
どの作品の主人公もどちらが原因とも言えない、極貧と差別の嵐の中で生き抜いてきている。
その境遇を受け入れざるを得ない中で小さな希望を見つけてそれに縋って生きていくのだけど、
自分自身の中にも狂気という棘というのか芽生えてくるのを感じている。
それは特別な境遇にいる主人公たちだけではなく、彼女たちの息遣いがすぐそばでするような
そんな怖さが漂っていた。
少し昔の、貧しかった日本の頃として語られているが、設定の状況を少し変えれば現代にもありえそうだ。
そうなると人間の本質的な悲しい性(さが)を思うのである。
シンと音のない悲しさすら感じるのだった。

ぼっけえ、きょうてえ

ぼっけえ、きょうてえ


無痛 [本]

無痛

無痛


勧められて読んだ本だった。
かなり前に勧められていたのになかなか手をつけられずにいたが
今日一気に読み上げてしまった。
冒頭で教師の一家が惨殺された後のリビングの様子を描写している。
しかし不気味なのはそれで終わらなかった。
ジグソーパズルのピース一ずつが辛い出来事なのに、
たくさんのピースたちの全体が浮かび上がってより陰鬱な姿を現すことになっていく。
実際の世の中もこんなに邪悪なパワーを持った人間がウロウロしているのだろうか。
抑圧されて捻じ曲げられた思いがさらに別の邪悪なパワーを寄せ付けるように
繋がっていく。
この本の恐ろしさはリアルな部分にある。
フィクションの世界のものなのに妙に実在するかのような人物像ばかりなのだ。
イバラと呼ばれる青年がもっとも作られたキャラクターのように感じるのだが
痛みを感じない病気は実際にあるということを知っていたので
やはりリアルな感じは残った。
また、この本ではたくさんの問題提起があった。
主に刑法の第39条についてのことが多かったが
今の日本の現状の暗い部分についてたくさん代弁しているような気がした。
終末の迎え方や医療の限界などの話もあったし
母子の関係、いじめのこと、劣等感・・・。
題名の『無痛』は肉体的痛みと精神的痛みの両方を言っているように思えた。
それぞれの登場人物が己の痛みにどう向き合うかで結果が変わったように思えた。
答えらしきものはなく次の展開を示唆する締め方だった。
しばらくはモヤモヤとした思いに囚われて日常を送ることになりそうだ。


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